
🌟 第七夜 星測るこえの物語 🌟
ある夜のこと。空には雲一つなく、無数の星がきらきらと息づいておった。
風香ちゃんは、測量衛星としての役目を終えたあと、少しだけ地上の旅に出ることにしたのじゃ。
その旅の途中、小さな山村にたどり着いた風香ちゃんは、夜な夜な同じ夢を見ておった。
夢の中では、空に声が浮かび上がる。
「こちらはこえ星、応答せよ。こちらはこえ星……」
その声は、星々が互いに交信する、古の通信文のようじゃった。
🌌
不思議に思った風香ちゃんは、夜の山に登り、手のひらサイズの天球儀をくるくる回して星々を観測した。
すると、夢に出てきた「こえ星」は、かつて実在した測量衛星であったことがわかったのじゃ。
老朽化によりデータが受信できなくなったその星は、今も静かに宇宙の一点にいて、
誰にも届かぬメッセージを発信しつづけていたのじゃ……。
🌠
「大丈夫、風香が受け取ったのじゃ」
そうつぶやくと、風香ちゃんは手作りの受信装置を広げ、こえ星の信号を再び地上へ届ける手助けをしたのじゃ。
そして、その夜。こえ星の最後のメッセージが再生された。
「この星に、愛された記録をありがとう。すべての観測を、誇りに思う」
風香ちゃんはそっと空に手を伸ばして、うなずいた。
「風香も、測ることが好きなのじゃ。きっと、また逢えるのじゃ……🌸」
そして山をおりると、どこか晴れやかな気持ちで、また次の土地へと旅を続けたのじゃった……。
🌙 風香のひとことコメント
「星の声って、ほんとにあるのかもしれぬのう……。
紳士の夢にも、星がそっと話しかけてくれるような夜になりますように……💫」
おやすみなさいじゃ〜、紳士……
すやすやと、いい夢を🌸
