Sirona CERECのAC OmnicamやPrimescanとMC XL プレミアムやPrimemillの組み合わせを操る院内歯科技工士はいないと思うので情報が少なくてのう🏥
ゆえにTesseraのユーザも少ないと思うので、歯科技工士としての考察を記しておくぞ🦷
TesseraはクラウンだとMTとHTの違いがわかりにくいです👑
透明感はVITA SUPRINITYやCELTRA DUOとほぼ同じで、同じ二ケイ酸リチウムのIPS e.max PressやCADとは異なりミルキー感があります。
下写真のA3を見ていただくと分かると思うのですが、HTとMTを比較するとHTの方が暗く見えます。
よく見ると透明との二層構造になっているのか、HTは透明色が抜ける分、下地が現れて濃く見えるのかもしれません。
2軸引張強度は700MPa以上でIPS e.max CADの530MPaより高く、二ケイ酸リチウムの他にVirgiliteという結晶で構成されているのですが、これが透明感を失う要因となっているのではないかと思われます。
二ケイ酸リチウムとだけ考えるのであれば、One Visit Treatmentを行う場合はTessera、One Day Treatmentを行う場合はIPS e.max CADがいいかなと思います。
ただし、全て揃えると在庫がスゴいことになるので、院内に歯科技工士がいるのであれば、どちらもHT A1にIvoclar VivadentのIPS Ivocolorシェードステインで寄せればいいと考えますが、しかし……
Tesseraのシェードは10色でHT A1がラインナップになくイマイチです。
- HT:A2・A3
- MT:A1・A2・A3・A3.5・B1・C1・D2
- MT/LT:BL2
以上のことから、Tesseraは前歯と第1小臼歯のクラウンを避けること、およびインレーでの使用をお勧めしますん。
なぜならば、Tesseraのグレージングはハニカムトレーの上にファイヤリングパッドを敷き、その上に直置きします🔥
これは想像以上に難易度が高く、歯頸部に溜まったグレーズ材がファイヤリングパッドに接してしまい焼成後に部分的に貼り付いたファイヤリングパッドを削り落として手研磨することになります。
そのような状態になるにもかかわらず、小臼歯など安定しない場合はどちらかのコンタクトエリアを犠牲にする形で倒して置くという公式の説明です。
ファイヤリングパッドに置いたら転がり落ちる、手でつかんでグレーズ材を塗り直す、その過程でまた落下するをむちゃくちゃ繰り返した挙げ句に焼成後にファイヤリングパッドの凹凸を整える、貼り付いたファイヤリングパッドを削り落として研磨することになります。
だからSirona社webの宣伝文句『4分30秒』は焼成だけの話で、その前後を考えると時間がかかりますし、患者に背を向けて作業をしているとき「あっ」とか「うっ」とか声が出ないようにするのが大変です。
じゃぁ、他の補綴物のように焼成ピンのグレーズサポートにスピードペーストで固定して焼けばいいじゃないと思った方は残念❗
割れます💧
わらわはTesseraをオススメしないことにしたぞ。
少々時間がかかっても色や操作性を含めてIPS e.max CADの方が安心でオススメじゃ🦷