〔No. 21〕 地図編集
図21は,国土地理院刊行の電子地形図25000 の一部(縮尺を変更)である。次のa~eの文は,この図に表現されている内容について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次のページの中から選べ。
ただし,表21に示す数値は,図21に示す範囲の四隅の経緯度を表す。
なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。
緯度 | 経度 | |
左上 | 北緯35° 26’ 30″ | 東経133° 49’ 10″ |
左下 | 北緯35° 25’ 30″ | 東経133° 49’ 10″ |
右上 | 北緯35° 26’ 30″ | 東経133° 51’ 00″ |
右下 | 北緯35° 25’ 30″ | 東経133° 51’ 00″ |
a.竹田橋下を流れる河川は,北から南へ流れている。
b.三明寺古墳西側にある三角点と老人ホーム南東にある川沿いの三角点の斜距離は,1,100mより短い。
c.博物館の経緯度は,およそ北緯35° 25’ 44″,東経133° 49’ 32″ である。
d.図書館北西にある病院の標高を15mとするとき,その病院から打吹山山頂までの傾斜角度は10°より大きい。
e.図書館記号の中心位置から保健所記号の中心位置までの水平距離は,1,050mより長い。
測量士補でもおなじみのスケールバーと比率、地図記号の問題じゃ📏
違いを強いて言えば傾斜角度と斜距離を問われることじゃ。
a.せきは下流が実線じゃ。
すると、竹田橋下を流れる河川は南から北に流れていることが分かるのじゃ。
竹田橋東側の郵便局下◬32.9と図右隅◬25.2と思われる数値から判断したり、測量士補国家試験のような上流にせきという雑な覚え方だったりすると逝く問題だぞ。
過去問にあるか分からぬが、滝は上流が実線なのじゃが、混乱の元なので滝は逆程度の覚え方でいいと思うぞ。
b.古墳西側の◬118.8と老人ホーム南東川沿い◬18.5の水平距離の問題じゃ。
今回の試験では親切に実長1000mがスケールバー図上50mmだったので計算は楽だったぞ。
2点間距離は……図上53mm:実長Lm
比率計算より……50mm:1000m=53mm:Lm
L=1060m
c.経度差と緯度差を算出せねばならぬが、わらわはなんとなく緯度差から求めるぞ。
緯度は上に行けば行くほど数値が上がるので……
緯度差=35° 26’ 30″ー35° 25’ 30″=0° 1’ 0″=60″
図上100mm:60″=図上24mm:Δφ”
Δφ=14.4″=0° 0’ 14″
35° 25’ 30″+0° 0’ 14″=北緯35° 25’ 44″
経度は右に行けば行くほど数値が上がるので……
経度差=133° 51’ 00″ー133° 49’ 10″=0° 1’ 50″=110″
図上150mm:110″=図上29mm:Δλ”
Δλ≒21.2666″
133° 49’ 10″+0° 0’ 21″=東経133° 49’ 31″
d.水平距離と高低差から傾斜角を求めるぞ。
2点間距離は……図上108mm:実長Lm
比率計算より……50mm:1000m=108mm:Lm
L=2160m
高低差=204mー15m=189m
傾斜角はtanθ=b/aなので……
tanθ=189/2160=0.0875
関数表より……θ≒5°
ちなみに斜距離をきかれた場合はピタゴラスの定理を使うぞ。
斜距離は√a²+b²=√c²なので……
√(2106²+189²)=2114.46≒2114m
e.これは図書館と保健所の地図記号が分かれば、あとは同じじゃ。
2点間距離は……図上56mm:実長Lm
比率計算より……50mm:1000m=56mm:Lm
L=1120m